スタッフブログ

手塚マンガのノンフィクション的な重厚感が好きです。「アドルフに告ぐ」など。

P山です。誰に求められているのか、P山の勝手に書評コーナーです。

手塚治虫マンガについて、です。

P山が申すまでもなく、手塚治虫さんと言えば日本を代表する漫画家です。
去年まで本棚お助け隊があった東京の高田馬場には、手塚プロダクションがありなんだか勝手に親しみを感じていたこともございました。建物の前を通って、へえー、って思ったり。
閑静な住宅地の中に、ぽつねんとあるんです。
JRの高田馬場駅ホームでは流れる音楽が鉄腕アトム。あのメロディはなんだか楽しく、聞こえてきても「急いで乗ろう!」という気分にならない気がする。って、それでもいいのか。そもそも急な電車の乗り降りはいけませんね。

P山はあまりマンガを読む方ではないんですが、いくつか名作と呼ばれるものは読まなきゃと思って読んでみたりしています。
手塚さんのものは「火の鳥」や「ブッダ」など、鉄腕アトムやジャングル大帝以外にも押しも押されぬ名作がありますね。
文学的な内容も濃く、どれも読みごたえがあります。
コンビニなどへ行くと、コンビニコミック(コンビニなどで置かれているペーパーバックタイプのコミック本)で再販されているものもあったりして、今でも変わらぬ人気と需要があるのが作品のすばらしさを物語ります。

P山が覚えている限りで、最初に読んだ手塚作品は、「アドルフに告ぐ」です。

アドルフに告ぐ 漫画文庫 全5巻完結セット (ビジュアル版) (文春文庫) [マーケットプレイス コミックセット]

歴史的な興味もあり読み始めました。
アドルフは、あのアドルフ・ヒトラーでもありますが、他のアドルフも登場します。
ゾルゲ事件などの実際の事件をモチーフにしたりしながら、大きな歴史と運命・使命に翻弄され導かれるいくつかの人生を描いています。
P山的には、物語の手法も面白かったです。
狂言回しとしての役割を登場人物の一人、新聞記者が演じ、自らも物語に加わっていくことで話を深く重厚にしてゆくという手法で、一般的にヒーローものや異人語り的な要素がありつつ、それを強く感じさせずに話が進行してゆきます。そんなことに読んでいる途中で気づき、「さすがー」と思った記憶があります。
オペラの「ホフマン物語」のような。話の内容は全く異なりますが、プロットの進め方というか物語の構成というのか、P山はその辺素人で文学論的な知識は皆無ですのでうまく表現できませんが、共通のものを感じて興味深かったです。
映画のヒーローものなど見ても、やはりこういう手法はあるのでしょうね。
話自体も、読後感がすごいです。
重厚な印象を残して読み終わりました。
人生観やら歴史感やらそういったのが幾重にも織りなされている感じ。

それから読んだ手塚作品では、
「奇子」や「来るべき世界」とかが好きですね。テーマがどれも深い。

奇子 1-2巻セット

「奇子」は下山事件がモチーフに出てきて、実際の下山事件はいまだ未解決とされるようですが、物語自体も実際のモチーフがあるんじゃないかと思う迫力があり圧倒されました。
「キリヒト讃歌」も好きだなあ。

これはちょっとまた雰囲気の違う物語で。
お医者さんが主人公で神話民話的なモチーフですが、これも実際に鬼気迫る迫力がP山にはありました。

手塚プロダクションの「マンガWiki」見ていると、どれも読みたくなりますね。
http://tezukaosamu.net/jp/manga/index.html

こういう、社会派なマンガが、P山は結構好みです。