本棚お助け隊 菅原でございます。
「はらぺこあおむし」という絵本があります。
一度は読まれている方も多い絵本だと思います。
菅原も大好きな絵本です。
子どもが生まれてから読み直した本。
惚れ直した絵本です。
そもそも自分が子供のころ、読んだのかな?あまり記憶にはないのですが。
子どもも大好きな本です。
何度も「読んで、読んで、もう一回」とせがまれて嬉しい苦笑いをされているお父さん、お母さんもたくさんいらっしゃると思います。
実に美しく楽しい絵本です。
そこで、はたと我に返り、この本のこと「なんでそんなに好きなのかな?」と考えてみました。
「はらぺこあおむし」の良さを構成しているのは何か考えてみました。
この本は特徴がいろいろあります。
ひとつは、いろんな楽しい仕掛けがある本です。
例えば、あおむしが食べてゆくりんごなどの果物に実際に穴が空いていて触って楽しめたり。
また、絵の美しさもあります。
絵の具で彩色された紙を切り貼りしたものが一つの絵やキャラクターになっている、というエリック・カールさんの手法は斬新で美しいです。
また、
絵やイラスト好きさんご用達雑誌「MOE」2013年 03月号の特集「『はらぺこあおむし』とおいしい絵本」というのがあります。
こちらで、絵本作家の三浦太郎さんが
「すごくデザイン的だと感じさせずにラフに見せつつ、ページの中で一番いいバランスを取って見せているのがさすが」
と分析されています。
これらのように、いろんな説明や分析をすることができる絵本です。
ところで、子どもは絵本をどのように感じているの?
ただ、子どもって、そんな理屈、考えていないですよね、きっと。
斬新だなあ!なんて思って絵本に接していないですよね、きっと。
純粋に、楽しい、いいな!と思って接しているのだと思うんです、きっと。
正真正銘、理屈抜き、で絵本に触れています。
大人になっちゃうと、感動に理由が欲しくなってきます。
そうやって感じ直してみると、
この本の一番の良さって、純粋に、絵の力強さと美しさと、話のシンプルさ、だと思うんです。
それが感性に刺さってくるんだと感じます。
絵は、何度見ても、力強くシンプルで美しいです。
何より、楽しさがあふれている絵!
ストーリーは、小さなあおむしが美しい蝶になるまでの物語。
もうシンプル過ぎます。
説教臭いところや理屈じみたところなど何もない。
説明も必要ない。
あおむしが、食べて、大きくなって、蝶になって。
いろんなものを食べてゆく様が楽しく進んでゆくのに対比して、蝶になったときの力強い美しさが目を見張ります。
また最初と最後のところが、俯瞰した視点なのがいいです。
最初のページで「おや、はっぱのうえにちいちゃなたまご」と月が言います。
そしてさなぎから孵ったときに「あ、ちょうちょ!」。
これは誰が言っているのでしょう?
きっと月なんじゃないかな、と菅原は思っています。
お月さまと一緒に驚き、感動する感覚になります。
絵本はシンプルなのが一番いい!
菅原はやはり絵本はシンプルな力があるものが好きです。
例えば、長新太サンの本。
「ごろごろにゃーん」とか。
この本、ストーリーは、ただ子猫が丸くなって親猫の背に乗る、という、それだけの話。
もうナンセンスそのもの。
他には、長新太先生に勝るとも劣らず、谷川俊太郎さんのものとか。
「めの まど あけろ」とか。
ちょっと変わったところでは、
遠藤賢司の「ボイジャーくん」なんかも面白いかもです。
ただただ、通信衛星のボイジャーくんがつぶやいています。
遠藤賢司って、エンケン、でわかる人、世代がばれますね。。純音楽。
今夜はカレーライスにしよう。
こんな純絵本たちを夏の一服の清涼剤にいかがでしょうか?