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ユネスコ記憶遺産に登録された「東寺百合文書」とは?

赤ちゃんの読書

本棚お助け隊 菅原です。

前回のエントリー(人気の本やDVDの買取価格比較と全品査定20%UP!のお知らせです。)では人気本の買取価格などの話題でしたが、読書の秋ネタの続きとして、先日発表されたユネスコ記憶遺産の話題です。

シベリア抑留資料、東寺百合文書 世界記憶遺産に登録」というニュースがありましたね。

二つのうち、菅原は、東寺百合文書の方に興味を持ちました。

「東寺百合文書(ひゃくごうもんじょ)」とは何でしょうか?

調べてみました。

東寺百合文書
※クリックで大きな画像が開きます。
(画像引用元:百合文書WEB http://hyakugo.kyoto.jp/

↑このようなものです。

バツ(×)とかついています。
何だろう?無効、とかそんな内容なのでしょうか?

『東寺百合文書(とうじひゃくごうもんじょ)は、京都の東寺に伝えられた日本中世の古文書で、現在は京都府立総合資料館が所蔵しています。8世紀から18世紀までの約1千年間にわたる膨大な量の古文書群で、その数はおよそ2万5千通に及びます。』

というものです。
(引用元:百合文書WEB http://hyakugo.kyoto.jp/about/top

1000年以上前の書物を残し続ける、というのは相当なものです。

そういった書物を大切に保管し続ける為には、防火防災防犯や保管技術、修復技術などが必須なのはもとより、「後世に残そう」という強い意志とそれを支える実行力が無ければなりません。

時の政権や戦争、災害などでなくなってしまうことが多い書物にあって、これだけのものを残し続けるというのはすごいものです。

世界史の中でもまれな社会基盤を持つ日本という場所であることが一因となって実現し続けて来れたものであると思います。

本や書籍を扱うものとして、本当に深く頭が下がる思いです。

古本や古物業界では「築40年以上のきれいに住み続けている御家には掘り出し物やお宝がある場合がある」と言われています。

40年以上経っている古いものが保管されている可能性があるということです。そういった御家自体がなかなかないです。

生活サイクルが変わってゆく側面でやはり頻繁にお引越しをされることも多いですし。

日本は建築関連法規や税務関連法規などの兼ね合いもあり古い建物が残りにくい側面もあります。

該当してくるのは旧家などが多くなってくる傾向が強いです。

10年や20年の保管がままならない現状を目の前にして、1000年以上も本を保管するのは次元が違います。

もっとも1000年前の時代にあって、書物とは、今とは比べ物にならないぐらい貴重なものだったと思います。

これだけ紙の書物が簡単に手にできるようになったのは明治時代になって機械印刷や機械製本ができるようになってからなので、ここ100年強ぐらいなものです。

ちなみに、ヨーロッパの教会にある図書館などには、本を鎖でつないでおく図書館があるそうですね!
「知識や歴史、学問を書物として後世に残そう」という強い意志を感じます。

また、古いものつながりですが、
世界最古の印刷物として「百万塔陀羅尼」が国立国会図書館に保管されているそうです。
これも日本!

こちらはいまだに「経文の印刷方法については銅版説、木版説などあり、いまだ判明していない」そうで。

それもすごい!

印刷の歴史としてはグーテンベルグを世界史で習いましたが、それよりも古いのですね。

多くの専門家が解析分析をしているのだと思いますが、それでもわからないことがあるのですね。

(引用元:国立国会図書館ウェブサイト http://www.ndl.go.jp/exhibit/50/html/catalog/c002.html

東寺についても改めて勉強しなおしました。

京都駅からほど近いところにある大きなお寺ですね。
修学旅行の必須ルート。観光でも行かれた方も多いかと思います。

796年に平安遷都に合わせて鎮護時として建立され、後に空海(弘法大師)に託されたのですね。
(引用元:東寺ウェブサイト http://www.toji.or.jp/

世界遺産でもあります。とても古いお寺なのですね。

本棚お助け隊も書物を扱うものとして、少しでも多くの人々に本を受け渡すお手伝いができるよう、なお一層頑張らねば!と思った次第です。

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