本棚お助け隊 菅原でございます。
師走となりお忙しい方も多いかと存じます。
また冬や年末年始の休暇は、まとまって本を読む時間が取れることもあるかと思います。
そんなところで、『本のおじさん、41年ありがとう 匿名で毎月図書費 来春閉校、最後に交流 山形』という話が。
場所は、山形県鶴岡市立羽黒第四小学校。
児童数24人で閉校が決定した小学校です。
その小学校に、41年間、毎月欠かさずご寄付を続けられた金野昭治さん。
『寄付の総額は約220万円。「おじさん文庫」は1400冊を超えた。』
すごい!
「児童は毎年「おじさん祭り」を開き、想像して似顔絵を描き、思いをつづってきた」って、本当にいいですね。
ふと、小学校などの図書館・図書室の現状について気になり、調べてみました。
まず、蔵書数です。
文部科学省の定める「学校図書館図書標準」という計算式がありまして、学級数が基準となっていますが、この小学校(全校生徒24人)の場合、2-3千冊ぐらいなのでしょうか。
そうだとすると、「おじさん文庫」が過半数ぐらいを占めていますね。
また、「2015年度学校図書館調査」の結果によると、「2015年の平均蔵書冊数は、小学校では10,252冊」だそうです。
別の調査で、文部科学省の 平成26年度「学校図書館の現状に関する調査」の結果について という資料によりますと、小学校の蔵書数は、学校数20,143校に対し、1億7402万冊。計算しますと1校平均8,639冊。
「図書標準達成学校数の割合」は、平成25年度末で60.2%。平成23年が56.8%と、上がってきています。
未達成の学校のうちでも「75~100%未満の学校数」が26.8%を占めているので、かなり頑張って蔵書数は増やしているのですね。
読書活動などの調査もあって、全校一斉の読書活動は、9割以上の学校で実施されています。
また、
各自治体ごとの蔵書率の数値も出ています。
こちらを見ると、自治体により差があるのがわかります。
100%を達成している自治体もありますし、0%や50%未満の自治体もあるという現状です。
例えば、教育県で名高い秋田県の秋田市では、小学校全44校のうち、100%達成が26校。75%以上達成が残り18校。
都道府県別の動向を見ると、蔵書達成率の高いのが90%超えの山梨県や岐阜県。
低いのが30%台前半の大阪府や奈良県など。
地域の財政状況が反映されていそうな側面もありそうです。
本棚お助け隊でも以前に小学生へ本をプレゼントする機会を頂いたことがありましたが(2013年12月「小学校へ行ってきました!)、お邪魔した小学校の図書室の蔵書が意外に少なかった記憶があります。
仕事柄、図書の量を見るとおおよその数のカウントができてしまいますし、冊数を聞くと必要な蔵書スペースの計算もできてしまいます。。。
もちろん冊数以外にも、図書のセレクトなどの内容や、読書活動の充実も大切だと思います。
本や読書文化にお世話になり続けている我々としては何かできることはないものかと思う次第です。
今年もクリスマスがやってきます。
早めに答えを出してゆきたいと思います。